2024年06月28日

自分に合った大学入試のタイプを選ぶ③総合型選抜

推薦入試や総合型選抜で留意すべき点

総合型選抜 大学でやりたいことがしっかり決まっているか?

 まず、一番初めにダメ出しをしておきますが、一般受験では学力的に足りないので総合型を狙うというのは、日東駒専・GMARCHではナシです。このレベルになると事前提出の書類や志望理由書でも相当突っ込んだ内容を要求してきます。その上に入試で小論試験が課されている場合、かなり専門的な勉強をしておかないととても書けません。適当に書いてお茶を濁すレベルでは全く歯が立ちません。ある意味では一般受験よりもずっと難しいと言えます。生徒さんも親御さんも甘い考えで臨むのは危険です。今年の入試で成成独國武の中のある大学を総合型選抜で合格された生徒さんが当塾におられましたが、その生徒さんにはスポーツ指導員になりたいという明確な目標がありましたし、高校でも硬式野球のマネージャーを務めた実績がありました。しかも、この生徒さんは文章を書くのが好きで、色んな文書を準備するのを億劫がりませんでした。こういう生徒さんなら総合型選抜に向いています。それでも課題図書の岩波新書を読んで1500字の要約文を2つ作成して提出するという課題はハードルが高く、私もアドバイスをするために自分でも要約文を試作しましたが、物凄いエネルギーと時間を投入せざるを得ませんでした。ハッキリ言って塾としては商売にしたくないタイプの選抜試験です。

 以上から、自分のやりたいことも明確でなく、高校時代にこれといった実績もなく、本を読むことも文章を書くことも好きではないという生徒さんには、総合型選抜は全く向いていないというのが結論となります。学力が芳しくないから総合型でというのはあり得ないということを自覚されてください。そういうケースの場合は偏差値的に低く、競争率も低い大学を狙うべきです。総合型選抜で有名私大を狙えるほど世の中は甘くありません。それならば科目を絞って一般受験すべきです。

 また、最近では推薦型で受験される生徒さんが増えてきたのをにらんで、推薦型入試や総合型選抜専門の塾も登場してきましたが、質の高い講師が真剣に指導してくれる塾ならともかく、生徒さんや親御さんに知識がないのをいいことに、上記のような適性を考えることもさせず、いかにも合格できるようなことを言って、高額な授業料を取りながら、事前提出書類や小論対策は適当にお茶を濁すという悪質な塾も絶対にあると思われます。そんな塾に引っかかってしまっては大金を取られた上に合格もできなかったという笑えない事態になりますので、一般受験同様、親御さんは真剣に情報を収集して推薦型専門の塾を選ぶ必要があります。