ホントに恐ろしい塾・予備校選び
2022年11月30日

第一子の塾・予備校選びに保護者の方は本当に苦労される!

この時期(1~3月)、高2生、高1生のお子さまをお持ちの親御様は、塾・予備校選びに頭を悩ませていらっしゃることでしょう。また、「今通っているところで大丈夫だろうか?」とお悩みでもあると思います。ここ数回の入塾面談でもたくさんの塾・予備校の体験授業を体験されてきた親御様のお話しを聞くにつけ、本当に第一子の受験では苦労されているなあと痛感します。

駿台や河合の他に今ではたくさんの予備校がありますし、塾もどんどん新しいスタイルのものが登場してきています。またネットでの映像授業も含めていろんな学習形態が存在するので「自分の子供にはどんな学習形態の予備校・塾があっているんだろう?」とお悩みのことと思います。特に最近では『自習室での長時間拘束』『授業をせずに参考書で合格を勝ち取る』といったうたい文句で宣伝する塾もあるので親御さんはますます頭をお抱えのことと思います。そこで長年この業界に身を置いてきた塾長からひと言アドバイスを差し上げようと思います。

信用のおける授業は安価では提供できない!!

どんなご家庭でも子供の教育費用の負担は大きいと思われます。まして複数のお子さんが受験年齢に達されている場合はその負担は非常に重いものにならざるを得ません。そこでできるだけリーズナブル(チープ?)な費用で高い教育効果を得たいと親御さんが思われるのも自然だと思います。最近ではそうした親御さんの心理に付け込むような塾も多いようにも思われます。しかしながらこの業界でこそ「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」の格言は揺るがないのです。ズバリいいます。安い授業料を売りにできるのは優秀な講師を雇っていないからです。もし当志学塾で、安心して生徒さんを任せられる講師を雇うとすれば、100分につき13,000~15,000円の授業料を頂かないことには経営は立ち行きません。

そうすると1科目に付き、月額50,000~75,000円の授業料を頂かなければなりません。そうしないとこの業界の優秀な講師は来てくれませんし、当塾も利益が上がらないからです。2科目で月に10~15万の費用となります。だから当塾のように外部の人材は雇わずに身内で回すか、集団授業形式にして一人の生徒さんの単価は安くても複数の授業料を得ることによって収益を上げるしかないのです。お母さまたちに申し上げます.「安い費用で高い教育効果を得ることは不可能です!」まして、少ない授業時間数で教育効果を高めることは絶対に不可能です。さらに参考書・問題集だけで学力が付くなら駿台や河合の優秀な講師はその存在理由を失います。

集団授業の弱さと個別指導・家庭教師の恐さ

集団授業の弱さ

最近では少子化にともなって教室での講義形式の集団授業よりも、個別指導をお子様、親御様ともに好まれる傾向にあるようです。確かに集団授業の場合、所属クラスと自分の学力が合っていない、集団に埋没してしまい真剣に授業を聞いていない生徒さんもいるというような弱点は指摘されます。集団授業で伸びるお子様は受験の目的がはっきりしている向学心の強いタイプと言えます。

個別指導の恐さと落とし穴 2人同時を個別指導と呼んでいいのか?

一方、個別指導は面倒見のよさという点では集団授業に勝るとは言えますが、こちらにも落とし穴はあるのです。真っ先に言いたいのは、2人同時を指導する形態を個別指導と呼んでいいのか?ということです。私もかつて高校受験の塾で2人を同時に指導した経験がありますが、とんでもなく大変でした。まず、2人の学力に差があると別な教材を使わなければなりません。

その頭の切り替えが結構難しいものでした。また2人を同時に指導する場合は1人に解説している時にはもう1人には課題をやらせるわけですが、すぐ解けてしまう生徒さんの場合は自分の解説の番まで待ちぼうけになります。逆になかなか解けない生徒さんの場合は十分解いていないうちに解説されてしまうということになります。その辺は宿題で上手く調整するのかも知れませんが、実質、授業時間の半分しか1人の生徒さんには使えません。では、指導料金はマンツーマン指導の半分になっているかといえばそうはいえないと思われます。

この2人指導は私は個別指導とは呼べないと思っています。高い指導料の割には学習効果は上がりません。また指導する講師に当たりハズレが多く、経験の浅いアルバイト学生ではお金のムダというケースが多いと思われます。

恐ろしい家庭教師派遣業者もある

私もかつて派遣家庭教師の業者に登録して家庭教師を行った経験があります。そこは採用基準も厳しく、ベテランも多かったので比較的良心的な業者だったと思います。ところがTVコマーシャルを頻繁に流している業者の中にもとんでもない悪質な業者がいるのです。

私の四谷学院での教え子で青山学院に現役で合格した生徒から聞いた話ですが、その生徒はTVでも盛んにCMを流しているTという家庭教師派遣に採用されて働き始めたのです。その生徒の話を聞いて私はのけぞりました。「先生、ここはね、勉強を教えなくてもいい家庭教師もいるんだよ」「どういうことだ?」「中学生なんかはさあ、生徒に気に入られて『この先生がいい。この先生に続けて教わりたい』って言わせればいいんで、無理に教えて生徒に嫌われる場合は、教えないで生徒の機嫌を取ってた方がいいんだよ。私はそういう生徒は持ちたくないけど、中にはあまりレベルの高くない大学の学生講師もいるから、そういう人の中には勉強を教えないで生徒の機嫌を取っている人もいるよ」というのです。

「知らぬは親ばかり」苦労して高い家庭教師代を払っているのに、わが子と家庭教師が勉強しないで時間を潰していたなんて。詐欺です。親御さんが気の毒としかいいようがありません。成績が良好でなく勉強をしたがらないお子さんに学生アルバイトの家庭教師をつける場合は要注意です。

安易に家庭教師に頼るよりも「なぜ勉強しなければならないのか?それは、お父さんとお母さんがいつまでもアナタの面倒は見られないからだ。アナタも職業について自分で稼いでいかなければならない時が来るのだ。それまでに親がして上げられるのは教育費を出してあげることだけだ」と言って、いろんな職業についている人に話しを聞かせに行ったり、キッザニアで職業を体験することの方がよっぽど役に立つと思われます。自分から水を飲もうとしない馬に無理に水を飲ませることはできません。自分から勉強しようと思わない子に教えない家庭教師をつけるのはお金をドブに捨てるようなものです。