ホントに恐ろしい塾・予備校選び
2022年02月24日

中学時代の塾選びの重要性①(2022.2/24)

開塾以来、頭を悩ませているのが中学時代に英語をしっかりと学習してこなかった塾生へのフォローです。高1の2~3月に入塾してくれれば、2年時に今まで不十分だった中学レベルの英語の基礎からやり直させることが可能です。

高3になってからでは時間が完全に不足してしまい、やることに限界が出てしまいます。その意味でも本気で大学受験に備えるなら遅くても新高2からです。また、中学時代にどういう塾に通っていたかも重要です。

今年の1月に、中学3年生の方が「大学受験を目指して高校から志学塾に入りたい、国語は高校受験の指導もしてほしい」ということで入塾されました。いざ教え始めると、とてもよくできるお子さんで、都立高校の国語の過去問も少しやり方を教えただけでほぼ満点、併願する中堅の私立高校の問題も古文が入っているにもかかわらず90%超え。高校受験に関してはなんの心配もないだろうと軽く考えていたのです。が、直前になって学力の状況を確認したところ、志望する都立高校の基準点に大幅に達していないことが判明しました。

国語のでき具合からして不審に思い、当時、高校受験のために通っている塾の様子を聞いたところ、理社の解説はほとんどなく、併願の私立高校の過去問は自分で解かされるだけで何の解説もないということでした。

塾長は30年ほど前に高校受験に携わった経験があるので、これほど国語のできる生徒さんが英語や理社の点数が振るわないというのはあり得ないと判断。

入試の10日前から急遽、都立対策の特訓を行いました。英語はウチのクミコ先生、数学と理科は数学・物理を担当の上村先生、国語と社会は塾長である私が担当して、日曜返上で徹底的に弱点を潰しました。英語は英作文とリスニングが弱点だったのですが、ちゃんと教えるとすぐに要領をつかみました。

数学は元々できるので弱い問題に絞って対策し、理科は知識不足の化学分野を集中的にフォロー、社会は全体的に知識不足だったので都立の過去問5年分、Ⅴ模擬3年分を間違ったところはもちろん、正解している問題に関しても根拠を言わせて徹底的に弱点を潰しました。

その結果、先日の2/21の都立高校入試の自己採点では、国語は作文を除いて全問正解で95~100、英語84、数学84、社会は記述を除いて80、理科64、合計421点をマークしました。これなら志望高校には間違いなく合格できますし、転校による内申の低さがなければ西高校や国立高校にも合格できるお子さんであることが証明されました。

もし、ウチで都立対策をしなければ350点前後にとどまり、志望する都立高校には合格できない可能性もあります。当塾の自慢をしたいのではありません。 これほど優秀なお子さんが、放置状態であったために、5科目の総合で400点にも満たない状態であったことに怒りに近いものを感じるのです。

この状況を見ても中学時代に通う塾の重要さがわかります。特に都立を受験する場合、5科目全体をきちんと面倒見てくれる塾に通うことが重要です。

入ってみなければわからないこともありますが、入っていても生徒さん自身にも親御さんにもその塾の良し悪しが判断できないことがあるのです。 ホントに恐ろしい塾選びの実態がまざまざと分かります。親御さんたちは有名さだけではなく、そこに通っておられた複数の先輩たちの情報なども収集して、自分のお子さまを通わせるべき塾かどうかを判断する必要があります。

特に第一子の塾選びは親御さんに経験がないために失敗しがちです。広告やネットの情報だけで即断せずに、慎重に情報を集めることが大切です。ウチに余力あれば高校受験のための中等部を作りたいくらいです。 地元の親御さんが塾選びで失敗しないようこれからも有用な情報を発信していくつもりです。