塾・予備校選びのヒント
2022年12月01日

大学受験に向けていつからお子さまを塾や予備校に通わせるか?

受験塾は高2から、高1時は補習塾でも

受験生を持つ世のお母さまが頭を悩ませるのが、お子さまをいつから塾に通わせるかということでしょう。中には塾に通わずに大学に合格されるお子さまもいらっしゃいますが、それはあくまでも例外。多くのお母さまは悩んでいらっしゃると思います。難しい問題ですが、結論をざっくり言ってしまうと上のようになると思います。一部の中高一貫校を除いて、高1の段階では受験レベルの学習内容はまだあまり出てきません。その意味では学校の授業の内容をちゃんと理解していれば焦る必要はないのです。しかし、ここで注意しなければならないのは、高校には合格したものの中学であまり勉強に本気ではなかった、まじめに勉強をしていたけれど履修内容に多くの弱点を残しているというお子さまの場合です。中学での履修内容に弱点があったのではまず高校の授業についていけません。そうなると大学受験は難しくなってしまいます。

そういう点で中学での学習に不安のあるお子さまは高1のうちにその弱点を埋めておくことが必須です。中学の内容の復習と高1の学習内容の定着なら大手の補習塾で十分です。逆にそういうお子さまは受験塾ではお荷物扱いされてしまいますし、難関大学合格の実績を持つ受験塾では入塾を断られる可能性もあります。以上から、「高1の間は補習塾で中学の内容をしっかり復習しながら、学校で学ぶ高1の内容に遅れることなくついていくという態勢を作る」ことがベストと思われます。そうしておけば2年から受験塾への意向も可能になります。

高1時から受験態勢を敷きたいお母さまへ

上記に述べたように高1時は焦る必要はないのですが、比較的優秀なお子さまをお持ちで、高1からしっかりと受験態勢を敷きたいというお母さまには次のアドバイスを差し上げます。 「お子さまが中3の時から高校に入ったら通わせる塾の候補選びをしておく」気が早いかもしれませんが、結論はこうなります。理由は以下です。熱心なお母さま方はお子さまが1年生の12~2月頃に新聞の折込チラシやネットを見て塾選びをなさります。

そうすると学生アルバイト講師を使っている大手の塾はともかく、受け入れる生徒さんの数に限界のある個人経営の塾で評判のよい塾は1~2月で新年度の募集が定員に達してしまいます。

つまり、高校に合格して新高1生になったお子さまが個人塾に入塾しようとしてもお目当ての塾はその段階で既に満員となっています。塾側が新1年生を受け入れたくても受け入れる余地はなくなっているのです。ですから、お子さまが中3の時からあらかじめ、高校生になったら通わせたい塾の候補をしぼっておき、1~2月期に当たりをつけておくことが必要になると思います。

 

ただ、その段階ではお子さまの高校受験の結果が出ていないわけですから、入塾予約をし、2月の月謝は通わなくても在籍確保のために払う必要が出てくるかもしれません。なぜなら、評判のいい塾では1~2月期は高1生の親御さんが入塾を希望して動き始めているからです。塾としてもまだ予定の決まらない入塾候補生よりもすぐにも入塾を希望する高1生を優先せざるを得ないので、2月は在籍料として月謝を払っておく必要が出るかもしれません。

ただ、まだ高校の時間割もわからないので、塾側としても受け入れ曜日等で悩む可能性があると思います。もし、お目当ての塾が満員でその時点では空きが無かった場合は、待機扱いとして欠員が出たらすぐ連絡してもらうように塾側に頼んでおき、それまでは暫定的に2番目の候補の塾に通うということも必要になるでしょう。その辺が上手くクリアできてお目当ての塾に1年時から入ることができればお子さまの大学受験は良好なスタートを切れることと思います。

現実的なのは2段階戦略?高1時に通わせる塾と高2から通わせる塾を別にする

上記のように中3の段階から高校生になったら通わせたい塾を選んでおくと提案したものの、それが現実には難しいケースもあろうかと思います。とすると現実的なのは高1時と高2から通う塾を別にするという2段階戦術になろうかと思います。一番目の項で高1の段階では大学受験に直結するような学習内容はそんなに出てこないと述べましたが、それを考えると高1時は評判のいい人気のある塾でなくてもちゃんと高校での学習内容をフォローしてくれて高2からの本格的な受験態勢に備えられる塾や予備校でもよいと言えます。

そして高1の12月~2月にお目当ての塾が新年度の塾生募集を開始したら即、応募する。または募集開始前に入塾予約をしておくというのがベストでしょう。当志学塾でも昨年の12月頃から高2・1生のネットでの面談申し込みが入り始め、今回は新聞チラシを折り込まなくても1月でほぼ入塾の予約がいっぱいとなりました。

ありがたいことですが現在では新高1生の方を受け入れたくても空きコマがありません。こちらとしても高1の最初からお預かりできれば高校での学習につまずくことを防いで大学受験に向けて十分な準備ができるのですが、中々そうもいきません。その場合は、上のように高1の時は補習的な塾で基礎を固めてもらい、受験生たちが卒塾した2月に入塾していただくというのが最善と思われます。高1の3学期から高2の3学期までの一年間は大学受験に向けて極めて重要です。この1年間が大学受験の死命を制すといっても過言ではありません。