受験情報
2022年12月01日

新時代の入試に対応を!

マーク式から記述式へ

 国立大学はともかく、今まで私立大においては、多数の受験生の合否を効率的に判定するために国語はマーク式の出題が中心でした。しかし、マーク式ですと限られた時間内にいかに正解するかという問題処理能力ばかりが要求され、本物の文章読解力や記述力は付かないという反省のもと、近年では入試で小論や記述問題を採用する大学が増えてきました。早稲田や明治や法政では今までも記述問題の採用をしてきましたが、今年は立教でも経営学部が現代文で50字の記述問題を出題しました。また、私立医学部では小論は必須ですし、AO入試でも小論文を出題する大学が多くなっています。

なぜ記述式が採用されたのか

 これは当然の傾向で、大学受験まではマーク式で機械的に答えが出せても、大学では卒業論文を書かなければ卒業できません。また、大学では学術書を読んで論文を書くということは当たり前です。つまり、今までは、大学で必要とされる能力大学に入るために要求される能力とにミスマッチがあったのです。これでは日本の大学生の能力は向上しません。外国の大学生との差が歴然と出てしまい、日本が国際競争において負けてしまうのも当然です。なぜならば今の地球的な規模での課題にはマーク式のように決められた答などなく、自分の頭で徹底的に考え、その考えを文章にまとめるという力が必要だからです。

教育のあり方の見直し

 外国では徹底的に読む力や書く力を幼い時から鍛えています。フランスでは高校過程で哲学もしっかり学びます。日本では哲学などは世離れした変わり者が学ぶものみたいな風潮がありますが、本来、哲学は人生の意味を探求し社会とのかかわり方を思索するもの。これでは日本人とフランス人の知性に差が出てしまい、文化レベルで日本人が劣ってしまうのは当たり前です。最近の日本の地位の急激な低下には、あまり深いことは考えず、とにかく大学に入れればいいという高校生を量産してきた日本の入試のあり方が深くかかわっていたのです。

どうやって対応していくべきか

 この風潮に歯止めをかけ、しっかりと考え、しっかりと表現する人材を育成したいという要請のもと、小論試験や記述問題の出題が増えてきているのですから、こうした潮流にあらがうことは不可能です。これからの受験生はたくさん本を読み、自分の頭で考え、それを文章で表現するということが当たり前のように要求されるのです。もう時代は後には戻りません。

「小論めんどくさいなあ、記述問題かったるい」と思うような受験生は入試以前に淘汰されてしまいます。もう覚悟を決めなければなりません。これからは、たくさん本を読み、自分の頭で考え、それを文章にまとめなくては大学に行けません。小論や記述問題の出題されない大学を受けて合格しても、今度は卒業後に待ってる人生が展望のないしょぼくれたものになりかねません。当然、収入も低いものとなるでしょう。現代の社会のヒエラルキーを無前提的に肯定するわけにはいきませんが、大学生が卒業後に直面するのは非情ともいえるこの社会のヒエラルキーです。小論や記述を嫌っていたのでは、始めからヒエラルキーの下層にしか組み込まれないのです。受験生も親御さんも覚悟を決めて記述問題・小論に取り組みましょう。

志学塾の取り組み

 とはいっても、受験生にいきなり小論を書け、記述問題に答えろと言っても無理があるのです。なぜならば、社会や、学校や、親たちが小学校~高校にわたるプロセスで、子どもたちに小論や記述問題を避けるような生き方をさせてきてしまったからです。

 まずは、高校の現代文の教科書に載っているいろんな文章をしっかり読むことから始めましょう。教科書には良質な文章が載っています。まずはインプットしなければなりません。教科書に載っていた太宰治の文章で本を読むことの面白さに目覚めたという親御さんも多いはずです。その上で志学塾ではアウトプットの仕方=記述問題の解き方・小論の書き方をゼロから指導します。いきなり書かせて「ここがダメ、ここもダメ」というような指導はしませんから安心してください。こうした指導が一番、生徒が小論や記述問題を嫌いになる指導です。生徒さんが小論や記述問題に向かおうとする勇気を後押しします。

ぜひ、受講をご検討ください。