古文は裏切らない!
2022年12月06日

古文は裏切らない!

難関大を突破するのは国語の力!

古文を制する者は国語を制する、国語を制する者は受験を制する!

 古文は学習が難しい科目です。最初に文法で躓いてしまうとそれがあとあとまで尾を引き、古文自体が嫌になってしまいかねません。実はほとんどの高校生がこんな状態です。この原因はどこにあるのでしょう?

教え方に問題がある場合が多い

 一つには学校では文法と読解の授業が分けられていず、読解の中で文法を扱うというやり方にあると思います。文法知識が体系的に身に付いていないのに読解をやっても、わからないことが多すぎて、学習意欲がそがれてしまうのです。だから「古文て何?意味プー、やっても意味ないじゃん!」という子が出て来ます。本来は、文法と読解の授業を分離し、段階的に文法を優先すべきなのです。読解では文法力をあまり必要としない簡単な文章で、古文常識(平安時代の政治制度、平安時代に貴族の生活、平安時代の文化)などに馴染ませていくのです。そして、文法がある程度体系的に理解できるようになった段階で、単語力を付けさせながら本格的に古文の読解の学習に入っていく。これが理想です。

志学塾の取り組み

 ですから国語担当の私は、まず、古文では古典文法を一通り体系的に学んでもらいます。この時、使用するのが私のオリジナル古典文法プリントですが、これは私が一人でも古文文法嫌いをなくしたいという一念から作成したものです。1週間に1回100分の授業で、早い人は9カ月、遅い人でも1年で文法の習得が終わります。これは1週間に1回100分の授業のペースだからで、予備校のように春期講習や夏期講習などの集中授業を織り交ぜればもっと期間は短縮できます。特に、1学期が始まる前や春期講習で「助動詞マスター講座」とでも銘打って、助動詞をまとめて学習してしまうとその後の学習が非常にスムーズになります。助動詞の後に助詞、敬語、識別と進んでいきます。

学び方のコツ(文法)

助詞は内容量が少なく、助動詞の1/3から半分の時間で終了できます。ただし内容は大切で、格助詞、接続助詞、終助詞等をきちんと学ばなければなりません。敬語は概念的には難しい感じがしますが、「する人を敬うのが尊敬語」「受け手を敬うのが謙譲語」「聞き手を敬うのが丁寧語」と理解してしまえば後は重要な約20語の敬語を暗記すればよいだけです。これで敬意の方向も楽にわかるようになります。敬語を得意にしたら勝ちです。最後が識別です。これが今まで習った知識の総まとめとなります。逆に言うとこの識別を習うことで今まで習った知識が整理されますので、ここまで来た受験生はもう古文は得点科目にできます

学び方のコツ(単語)

 こうして、文法が一応の完成を見たら古文単語をキチンと覚えましょう。当然、文法と同時並行して単語の習得はしておきますが、文法が終わっていると「これで単語がわかれば古文は読める!」という気持ちが生徒さんに生まれますから、単語を覚える意欲が違ってきます。ここまで来れば、あとはスムーズに読解に入れます。志学塾では、読解は旺文社の『全レベル問題集 古文①、③、④』を使用しています。

まずは基礎レベルの『レベル①』を使用して、短くて分かりやすい文章で古文に慣れてもらい、次に『レベル③』で日東駒専レベルの問題に対応する力を付けます。『レベル②』はセンター対策なので、一旦パスして、次に『レベル④』に入ります。これは早稲田・上智・国公立レベルで記述問題もありますので結構、歯ごたえがあります。でも、文法知識がしっかり入っていて、『レベル③』までこなしてきた生徒にとっては、あまり苦にせずにこなしてしまいます。これが終わると過去問に入りますが、『レベル④』を終わらせている生徒はMARCHレベルの古文はスイスイと解いてしまいます。明治の古文はちょっと癖がありますが、それでも3~4年目に入ると、慣れてきてボーダーは楽にクリアしてしまいます。早稲田の問題も過去問に取り組むうちに苦にせずに解けるようになってきます。

 総じて、うちの生徒にとって古文は点の取りやすい有り難い科目という感触になります。後は現代文をどこまで伸ばせるかです。

センターで古文・漢文は満点(50点)で当たり前

 今年で終了したセンター試験を利用してMARCHに合格するには85~88%くらいが必要でした。これがどれほど大変なことか、受験生や保護者の方はわかっておられるでしょうか。とんでもなく高いハードルです。試しに周囲の友人や先輩でセンター利用でMARCHに合格した人がいるかどうか調べて見てください。都立の中堅~上位校でも一般受験でもなかなかMARCH合格の声が聞かれなくなっている昨今、センター利用でのMARCHに合格できる人は極めて稀少となっているはずです。(続く)

最後は評論の力

この項、今後加筆予定、請うご期待。